慶應義塾大学アート・センター Keio University Art Center

世界の中心からのメッセージ——現代ギリシャの映画をみる

日時

2004年12月14日

場所

三田キャンパス 北館ホール

対象

登壇者/出演者

講師:ヴーラ・ゲオルガカクー(ギリシャ・フィルムセンター代表)|堀 潤之(関西大学文学部専任講師)|西村 太良(慶應義塾大学文学部長)
司会:前田富士男(慶應義塾文学部教授)|鷲見洋一(慶應義塾大学文学部教授)|橋本順一(慶應義塾大学商学部教授)

ヴーラ・ゲオルガカクー

1969-1973年ギリシャ映画振興会財務局長。1974年文化省副大臣室室長。1981年よりギリシャ・フィルムセンター代表。1988-94年欧州映画配給団体(FEDO)ギリシャ代表、1988-93年欧州映画アカデミー・欧州映画賞ギリシャ代表、1995年より欧州連合の欧州映画プロモーション(E.F.P)ギリシャ代表。アテネのニューヨーク大学の映画・テレビ放送学科で映画制作、配給、プロモーションなどの講義も担当している。

堀 潤之

1976年東京生まれ。東京大学教養学部を卒業後、同大大学院総合文化研究科超域文化科学専攻(表象文化論)修士課程を修了し、2004年に同専攻博士課程を単位取得退学、同年4月より関西大学文学部専任講師。2001年から2年間、フランス政府給費留学生としてパリ第3大学映画・視聴覚研究科博士課程に留学。専門は映画史、映像美学、表象文化論。編著書に四方田犬彦・堀潤之編著『ゴダール・映像・歴史』(産業図書、2001年)、訳書に『ゴダール 映画史 テクスト』(共訳・注釈、愛育社、2000 年)などがある。

西村 太良

1949年東京生まれ。1972年慶應義塾大学文学部卒業、1975年同文学研究科修士課程修了。1978-83年ギリシャ政府給費留学生としてアテネ大学留学。1992-94年オックスフォード大学訪問研究員。慶應義塾大学文学部専任講師、助教授を経て1996年より同教授。2001年より、文学部長、文学研究科委員長。西洋古典学専攻。ピンダロス、ホメロスに関する諸論文およびアイスキュロス、エウリピデスの翻訳がある。

タイムテーブル

上映作品

A TOUCH OF spice 監督Tassos Boulmetis(2003年/107分/日本語字幕)

ファニスの一家はトルコのイスタンブールに住むギリシャ人。キプロス問題でトルコ政府がギリシャ人をトルコ国内から追放したために一家はアテネに移住する。こうしてファニスは幼友達のサイメとも、頑としてかの地を去ろうとしない祖父とも引き裂かれることになる。「すぐれた料理の隠し味は塩」と祖父から教わったファニスは、天才的な料理の腕を持つ天文学者として成長する…。トルコによるキプロス派兵(1974年)を背景に描く、トルコから引き上げてきたギリシャ人青年とその一族の年代記。

Peppermint 監督Costas Kapakas(1999年/105分/日本語字幕)

一人のギリシャ人中年男の半生(1960年代からの30年間)をノスタルジックに描いた青春映画。ステファノは子供の頃から、従姉妹のマリーナが大好きだった。そして飛行機も。初めて抜けた乳歯、彼の成長をやさしく見つめる伯母のベネチア、最愛の母、友人のマノリスらと過ごした幼年時代、少年時代、従兄妹同士であるゆえに実らないマリーナへの恋、愛すべき人々との別れ、一人で歩む人生、そして年老いての再会…。懐かしいフォトアルバムをめくるような映画。

THE KING 監督Nikos Grammatikos(2002年/130分/ 英語字幕)

実話に基づく物語。ヴァンゲリスは35歳。過去と決別し新たな生活を求めて、ペロポネソスにある父の土地にやってくる。最初彼を胡散臭い視線でみつめていた住民たちとの気まずかった関係も次第に好転し、地域に受け入れられて、新生活は軌道に乗るかに見えたが、かつて深い付き合いのあったマリアの出現は、せっかく築き上げたすべてを決定的にぶち壊してしまう。周囲との衝突は必至となり、ヴァンゲリスは押しつぶされる…。

Totally Married 監督Dimitris Indares(2003年/80分/英語字幕)

トーマスとリリーは結婚「7年目」。二人は30代半ば。子供も一人いる。ところがハウスキーパーが突然やめてしまい、彼らの夫婦生活は狂い始める。リリーは、子供の世話も家事もかえりみようとしない。困ったトーマスは若い外国人売春婦イリーナを雇って切り抜けようとするが…。現代ギリシャの夫婦生活を描いたトラジ=コメディ。第44回テサロニケ国際映画祭(2003年)で最優秀脚本賞を受賞した作品。

お問い合わせ

主催・共催など

主催:慶應義塾大学アート・センター|ギリシャ大使館|ギリシャ映画祭実行委員会

協力:ギリシャ・フィルムセンター|助成:独立行政法人国際交流基金