慶應義塾大学アート・センター Keio University Art Center

峯孝《牧童》洗浄保存処置

 一貫校も含めた各キャンパスに設置されている屋外彫刻作品は、二年に一度の頻度で洗浄および保存処置を行っている。
 今回は三田、日吉、矢上、普通部、中等部、志木高にある彫刻作品合計14点について作業した。本件はそのうちの1点である。



保存修復作業記録

2018年3月31日 ブロンズスタジオ・黒川弘毅/担当者:黒川弘毅、高嶋直人、遠藤啓祐、高木謙造

作品

・作品=牧童
・作者=峯孝
・設置場所=志木高
・材質・技法=ブロンズ
 

【作業前の状態・表面の状態】

・表面の状態  撥水性は良好に維持されていた。  さびの色調に淡青色から緑色への変化がみられ、安定したさびの形成が進行していると推定される。
・鳥の排泄物:付着が見られた。
・人為的キズ・落書きの個所:なし。・ピンホール(鬆)
・穴・亀裂の個所:顕著なものは認められない。
・内部からの噴出・析出物:なし。
・破損・欠失個所:なし。
・変形個所:なし。
・固定状態:良好。


【作業の基本方針】

保護剤を更新して撥水性を維持する。
 

【作業内容】

1.洗浄作業 非イオン系洗剤を用いて洗浄した。
2.保護剤塗布作業 蜜蝋を全体に塗布し、輪郭にメリハリが出るように光沢を調整した。使用材料 蜜蝋、リグロイン
 

【作業結果】

穏やかな光沢と良好な撥水性が維持された。
 

写真は左から
写真1:作業後
写真2:ワックス塗布

日付

2018年2月18日~3月26日