慶應義塾大学アート・センター Keio University Art Center

ARTEFACT 無題

 

ARTEFACTは、「都市のカルチュラル・ナラティヴ」のプロジェクト・マガジンで、プロジェクトの活動レポートに加えて、毎年特集を設定して、地域の文化を考える誌面を作ってきました。1号は「都市のカルチュラル・ナラティヴ/増上寺」(2018)、2号は「インターンシップ」(2019)、3号は「海/都市の気配」(2020)といったように。しかし、今号には特集を設定していません。

この無題のARTEFACTには、都市のカルチュラル・ナラティヴの、2020年と2021年の活動を元にした記事が収められています。つまり、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックが起こった年と、それに続く1年の活動です。

他の多くのプロジェクトと同様、「都市のカルチュラル・ナラティヴ」の活動も大きな困難に直面しました。この2年間、さまざまな要素が不確実な状況の中で、その時にできることを行ってきた結果、これまでに比べて、プロジェクトの活動の軸が曖昧になり、断片的になったように感じています。

しかし、断片化していようとも、文化をめぐる活動は続きます。地域の文化資源を対象にした活動は、順風のときも逆風のときも、その時々の状況に合わせて形を考えながら、ともかく続けてゆくことが大切なのだと思います。そうであれば、この2年間の活動を——断片化していようとも——アーカイヴすることにも意味があるのではないでしょうか。だから今号のARTEFACTでは、特集という形で仮想的な軸を設定するのではなく、活動の一片をそのままに収めることを試みました。

パンデミック下に、一つの地域文化プロジェクトが、迷いながらも活動した記録としてお読みいただければ幸いです。


ARTEFACT[無題]:本文92ページ、日本語・英語

ARTEFACT[無題]SUPPLEMENT:誌面の都合上本誌に収載出来なかった記事を、ウェブ版ARTEFACTとしてまとめました。



[編集]「都市のカルチュラル・ナラティヴ」プロジェクト
[アートディレクション/デザイン]太田知也(Rhetorica)

[発行]慶應義塾大学アート・センター

本誌は令和2年度港区文化プログラム連携事業「都市のカルチュラル・ナラティヴ:地域文化資源リレーションシップ——地域文化資源をつなぐ講座」の一環として制作されました。
 


What's on