慶應義塾大学アート・センター Keio University Art Center

「映像人類学とアート」人類学的表現の新地平を求めて  -映像とアートが紡ぐ記録と表現の新たな関係

映像を用いた学術研究への志向と、アートとしての映像制作志向――映像人類学はその出発の当初より両方の志向にまたがりながらも、前者を重視するかたちで映像作品を生み出してきました。

今回の企画では、映像人類学の原光景をふりかえりながら、フィールド映像記録と表現の問題を、学術映像とアートの間に横たわる諸問題とつきあわせて再検討します。さらに、今日めざましく発展・革新された映像手法を用いて新たな映像人類学的作品が生み出されている状況に照らして、この論点を新しいかたちで展開させたいと思います。

その目的のため、古典的作品、現代の作品のなかから注目すべき映像作品を上映いたします。下記の協力機関より助力をうけ、作品を選出・上映し、その後、世界的映像人類学者をお招きして討論をおこないます。

日時

12月14日(月)15:30-19:30、12月15日(火)13:30-19:30

場所

東館6F G-sec Lab|東館8F ホール

対象

費用

無料

お問い合わせ

慶應義塾大学アート・センター 

TEL: +81(0) 3 5427-1621 FAX: +81(0) 3 5427-1620

〒108-8345 東京都港区三田2-15-45 2-15-45


日時

12月14日(月)15:30-19:30、12月15日(火)13:30-19:30

場所

慶應義塾大学三田キャンパス 東館 6F G-sec lab.(港区三田2-15-45 JR田町駅・都営地下鉄三田駅から徒歩8分)

対象

費用

無料

お申し込み方法

事前申し込み不要

登壇者/出演者

ゲストスピーカー :Sarah Pink(Loughborough University)、Karl G. Heider(University of South Carolina)、内田 順子(国立歴史民俗学博物館)Junko Uchida (National Museum of Japanese History)、村尾 静二(総合研究大学院大学)、大杉 高司(一橋大学、新井 一寛(京都大学)、橋本 順一(慶應義塾大学) ほか
モデレータ:宮坂 敬造(慶應義塾大学)

タイムテーブル

12月14日(月)
15:30-17:30:映像上映
はじめに・宮坂敬造(慶應義塾大学):「グレゴリー・ベイトソンに見る映像人類学とその展開」
【東館6F G-sec Lab.】
『Jero on Jero』
(by Timothy Asch, Patsy Asch, & Linda Connor/1980年/16分)
……Robert Gardnerと双璧をなす映像人類学作家Aschの特徴がわかる作品
『マンローのフィルムから見えてくるもの――AINU Past and Present』
(内田順子・鈴木由紀/2005-2006年/102分)
……アイヌの熊送りの祭りイヨマンテ等、30年代の記録映像を残したマンローの作品を現代に生かすこころみから生まれた作品
【東館8F ホール】解説・村尾静二(総合研究大学院大学)
『人間の芸術へ岡本太郎』
(牛山純一・日本映像記録センター/1978年/25分)
……芸術家に肉薄するドキュメンタリー映像により、アートとはなにかを映像を通して描く
『裸の時代――ポルノ映画・愛のコリーダ』
(野田真吉・日本映像記録センター/1972年/25分)
……大島渚監督の撮影現場で芸術の諸問題をとらえようとしたドキュメンタリー作品

『Dead Birds』
(by Robert Gardner/1963年/83分)
……ニューギニアのダニ族の人々の祭り、少年の葬礼歌を記録編集し、芸術的感動、文化と感情の問題をなげかける60年代を代表する映像人類学作品
18:00-19:30:ワークショップ討論「過去の映像人類学作品が投げかける光」【東館6F G-sec Lab.】
Karl G. Heider(University of South Carolina)
内田 順子(国立歴史民俗学博物館)
村尾 静二(総合研究大学院大学)
新井 一寛(京都大学)
橋本 順一(慶應義塾大学)
宮坂 敬造(慶應義塾大学)ほか

12月15日(火)
13:30-17:50:映像上映
【東館6F G-sec Lab.】解説・宮坂敬造(慶應義塾大学)
『Kusum』
( by Jouko Analtonen, Antti Pakaslahti/2000年/69分/英語字幕)
……インドの少女の病の宗教的治療を文化精神医学の視点から撮影

『Living with the Invisibles』
(by Dirk Dumont with Philip Hermans/2003年/52分/英語字幕)
……ベルギーに移民したモロッコ系の女性たちの心身不調の治療を扱う

『同居とカメラ』
(新井一寛/2007年/30分)
……同居者や若手研究者仲間を撮影することが映像人類学たりうるか?映像人類学を通して反省作用を深く掘り下げた作品

『Forest of Bliss』
(by Robert Gardner with Ákos Östör/1986年/90分)
『採る、捕る、獲る、ドンゴを撮る!』
(大石高典・アルフレッド・ジェドム、編集協力・新井一寛/2003-2007年/15分)
……カメルーンのドンゴの村で撮影、特有のアート感性が輝く

【北館ホール】解説・濱崎好治(川崎市市民ミュージアム)/村尾静二(総合研究大学院大学)
『Were Ni! He is a Madman』
(by Frank Speed & Raymond Prince/1963年/30分)
……ナイジェリアでみられる憑依や心身不調に関わる民族的医療を草創期の文化精神医学の見地を交えて撮影
『私は鳥葬の村に入った――秘境ムスタン探検』 『私は鳥葬を目撃した――秘境ムスタン探検』
(杉山忠夫・日本映像記録センター/1977年/各25分)
……ネパール自治領時代のムスタンでチベット葬儀習俗で著名な鳥葬をめぐって日本映像記録グループのディレクターが撮影した映像美にあふれる作品
『Imagining Indians』
(by Victor Masayesva Jr.:山形国際ドキュメンタリー映画祭事務局所蔵作品/1992年/ 79分/日本語字幕)
……アメリカ先住民の神話・宗教に裏付けられた彫刻、儀式等が、観光の眼差しによって商品化されていくポストモダン状況の現実を描写する

『The Eye Above the Well 〔井戸の上の眼〕』
(by Johan van der Keuken:山形国際ドキュメンタリー映画祭事務局所蔵作品・同映画祭'89 優秀賞/1988年/91分/日本語字幕)
……南インドのケララ地方を旅しながら、動く絵巻のように都市と農村における人々の生活を美的に描写、映像作家とインド宗教・芸術家をダブらせてアートとはなにかを探求

18:00-19:30:シンポジウム「映像記録とアートの感性」【東館6F G-sec Lab.】

Sarah Pink(Loughborough University)
Karl G. Heider(University of South Carolina)
大杉 高司(一橋大学)
新井 一寛(京都大学)
宮坂 敬造(慶應義塾大学)ほか
※ 開場時間は上映の30分前となります。
※ プログラムは予告なく変更される場合があります。
※ 日本語での発表が中心となりますが、英語発表・討論部分については
簡易通訳があります。

お問い合わせ

慶應義塾大学アート・センター 

TEL: +81(0) 3 5427-1621 FAX: +81(0) 3 5427-1620

〒108-8345 東京都港区三田2-15-45 2-15-45

主催・共催など

主催 :慶應義塾大学アート・センター

共催 :慶應義塾大学GCOE「論理と感性の先端的教育研究拠点形成」哲学・文化人類学班

協力:第13回京都大学国際シンポジウム「学術研究における映像実践の最前線」、Royal Anthropological Institute、川崎市市民ミュージアム