慶應義塾大学アート・センター Keio University Art Center

研究会 マンダラ・ムジカ

mandala musica は多角度から「音楽」にアプローチするプ ラット・フォーム的研究会であり、 5プロジェクトが互いに提携しつつ進行している。現代における「音楽」 の意味を広範囲から、かつ根底から問い直すとともに、今日の諸学問領域と一般的社会生活の中で音楽が果たしうる役割を理論面・実践面の両方から研究していくことを目的として いる。また、学術と芸術のシナジーが生まれる場となるよう な、さまざまな実験的ワークショップも企画していく。

  • 2012-継続中


●  プロジェクト① :油井正一アーカイヴ、公開Jazz研究会 "拡張するジャズ" 

従来の油井正一アーカイヴの活動を継承し、訪問所員の中川ヨウ氏を中心にジャズの歴史を多角度から考察していく。 また、当センター訪問所員菊地成孔氏らを迎えた講演会、コンサート、ワークショップ等を開催し、「ジャズ」を出発点 とする現代音楽の可能性を探求する。2017 年度からは株式会社セイコーホールディングス、2020年度からは株式会社第一興商の協賛を受け、より頻度の高 い、さらに充実した内容の活動が可能になった。

● プロジェクト②:Pop Japan Project

2016 年に開始された。日本のポピュラー音楽の歴史と、それが世界各地でどのように受容されているかを研究する。また、日本音楽の海外発信の可能性について、文化研究的側面とアート・マネージメント的な側面の両面から研究する。訪問所員に宮沢和史氏、Zeebra氏、牧村憲一氏、藤井丈司氏、 原田悦志氏。

● プロジェクト③:エンターテインメント・コミュニケーションズ・プロジェクト

「エンタータインメント」を私的および社会的な次元のコミュニケーションの重要な要素とみなし、多様なコミュニケーションの現場において、エンターテインメントの要素がどのように生かされうるか、また、よりグローバル化し、より多層化し、多様な技術が導入されるはずのこれからの社会に娯楽の要素をどう生かしていくべきかを考えていく。本プロジェクトでは、音楽のみならず様々な娯楽領域にそのメンバーを持つ一般社団法人日本音楽事業者協会ならびに株式会社NexToneのお力添えを得て、アカデミズムがエンターテインメントにつながってゆく感覚を学生に伝え、将来を生産的に生きていける若者たちを育成したい。

● プロジェクト④:「普遍音楽研究会」

ゲーテ、キルヒャー、ブルーノ、フィチィーノ、さらには古代の思想家たちから現代の哲学的音楽論も参照しながら、 今日では「芸術」の一ジャンルとなっている「音楽」という営為を「普遍学=普遍楽」として捉えなおすべく、哲学的探究を行う。また、そうした研究を反映した実際の演奏のワークショップなどもおこなっていく。 

● プロジェクト⑤:「音楽やるなら慶應に行こう」プロジェクト

慶應義塾は、日本のポピュラー音楽の黎明期から、重要な音楽人を多数輩出してきた。本プロジェクトでは「慶應出身の音楽人」の方々の記録をファイリングしつつ、「慶応の音楽カルチャー」がどのようなものかを多角的に研究する。

 

以上の複数プロジェクトが相互に協働しながら発展していくことを目指している。