慶應義塾大学アート・センター Keio University Art Center

朝倉文夫《小山内薫胸像》固定部修復



●作品
作者=朝倉文夫
作品=小山内薫胸像
制作年= 1958 年
材質・技法=ブロンズ
寸法= 70.0 × 50.0 × 37.0cm

修復記録
2021 年12 月2 日
有限会社 ブロンズスタジオ
*担当者:髙橋裕二 髙橋銑
*修復作業期間:2021 年11 月15 日~ 11 月30 日

●改修作業に至る概要
三田キャンパス旧図書館東側に設置されている、朝倉文夫作「小山内薫」胸像が石台座の上で位置がずれているとの報告を受け、構内屋外彫刻の定期保存処置作業の際、実際に点検をすると画像1 のように抱えるだけで、底面が見える状態となっていた。アンカーボルトは使用されておらず、接着剤(樹脂)で貼り付けたのみとなっていた。その接着剤(樹脂)が劣化し、何らかの力が加わったことで像ごと位置ずれを起こしたものとみられる。このままでは危険性がきわめて高いことから、至急撤去しアンカーボルトで固定できるような改修を必要とした。

●改修作業
・事前点検
・作品撤去 2021 年11 月15 日
・改修作業開始 内部コンクリート・ハツリ除去 以下ブロンズスタジオ内 コンクリート総重量 26.55kg
・L アングル溶接 ブロンズ製L アングル 63×63×6mm 厚 アルゴンTIG 溶接
・テンプレート作成
・ドリル穿孔・タッピング M14 タップ加工
・溶接熱による変色部分の色調補整   タンパン塗布-緑青 発生液
・色調補整部分にミツロウ塗布・光沢調整
・胸像本体計量  30.45kg

●作品再設置・取り付け作業 2021 年11 月30 日
・アンカーホール位置確認
・アンカーホール穿孔 18 Φ錐 ハンマードリル穿孔2
           箇所
           深さ120mm 以上穿孔
・アンカーボルト固定 アンカーボルト 真鍮製M14
           全ネジ
           L アングル内胴側にナット締め込み
           石材差し込み長さ106mm 110mm
           固定用接着剤:石材用エポキシ
           樹脂系接着剤
           「BD 石貼りゴールド」

・取り付け終了確認撮影
・作業終了確認 2021 年11 月30 日


写真は左から
図1 事前点検
図2 作品撤去
図3 ブロンズ製L アングル仮固定
図4 接着剤塗布

Date

2021年12月2日


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