慶應義塾大学アート・センター Keio University Art Center

SHOW-CASE project No.0: Motohiro Tomii "Blind Composition"

慶應義塾大学アート・センターは同大学アート・スペースにおける展示を中心に展示活動を展開していますが、この度新たに小規模かつ多岐にわたる場所で展開可能なオプショナルな展示プロジェクトとして「SHOW-CASE project」を提案します。

このプロジェクトは基本的には文字通りの展示ケース(Showcase)によって、事例を紹介する /ケースを示す(Show Case)ということを意図しています。また、展示ケースという小さな展示空間を作家と演出すると同時に作家と協力して印刷物を発行することがこのプロジェクトの大きな特徴です。ディスカッション・ベースで企画者と作家が共同しつつ、展示ケースと印刷物を一体として作品として創出させるという試みです。

今回は第0回としてプロトタイプ展示をいたします。プロトタイプを作る協力作家として冨井大裕氏に依頼し、デザイナー川村格夫氏、ディスプレイ担当有元利彦氏が加わって、発案者、作家、デザイナー、ディスプレイ担当者がディスカッションしながら、今後継続的に使用するフォーマットを設定しました。今後はここで検討され、設定されたフォーマットを用いてプロジェクトが進行することになります。

Date

3 March - 9 May 2014, 9:00-18:00

Venue

Keio University Mita campus, South annex 2nd floor (beside the entrance of Keio University Art Center)

Audience

どなたでもご参加いただけます

Enquiries and bookings

Keio University Art Center

Tel 03-5427-1621 Fax 03-5427-1620

Exhibition[SHOW-CASE project]

Date

3 March - 9 May 2014, 9:00-18:00

Venue

Keio University Mita campus, South annex 2nd floor (beside the entrance of Keio University Art Center)

Audience

どなたでもご参加いただけます

Enquiries and bookings

Keio University Art Center

Tel 03-5427-1621 Fax 03-5427-1620

Organiser(s)

Organiser = Keio University Art Center

* This exhibition is supported by the Program For the Promotion of Culture and Art by Utilizing University for the fiscal year 2013, The Agency for Cultural Affairs.


展示ケース一つと関連する印刷物を軸とした現代美術のオプショナルな展示企画の発想として生まれたのがSHOW-CASE projectです。

指定された展示ケースひとつを使えば場所はどこであってもかまいません。展示と同時に発行する印刷物は基本のフォーマットと決められたルールを守れば作家によるバリエーションに開かれています。このように条件が与えられているという規制的な側面と、その範囲では場所も作り方も自由という自由な側面が双方で効果を発揮し、アーティストのバラエティや発想の豊かさを引き出すことができれば考えています。

第0回と称した今回は、プロトタイプ展示の実現を通して、今後、このプロジェクトで踏襲していくべきフォーマットを設定する作業を行いました。このプロトタイプを作るにあたって、立ち上げを協働してくれる作家として冨井大裕氏に依頼し、デザイナー川村格夫氏、設営担当有元利彦氏と企画者である渡部の4人でディスカッション・ベースでプロジェクトを進行したことがその特徴です。その過程は記録をとり、記録集の形になりました。

今回の展示は、「ブラインド コンポジション」と題されているとおり、ブラインドを用いたものですが、ブラインドという常は窓に付属するものが自立した時にみせる彫刻的姿が印象的に実現されています。そして「ブラインド=隠す」という言葉そのままに件の展示ケースは何も入れられずにブラインドの裏に隠されています。
更に、リーフレットに掲載されている写真に映っているのは展示の現場では見ることのできないアート・センターの事務室の中のブラインドの姿です。そこでも「ブラインド」が「ブラインド=隠す」されていると同時にそのブラインドの姿は注意深く、重量・バランスや肌理、形を意識され、ブラインドが通常のブラインドであることからわずかに引きはがされるような工夫が施されています。そこには「三次元のモノ」としてのブラインドが立ち現れてくることになります。こうして事務室の中で完全に日常的な機能を有しているブラインドがわずかにそこから浮き足だし、彫刻の気配を身にまとうと、ついには自立して彫刻となります。そのような様子をリーフレットを手にしながら、唐突に廊下に立つブラインドから見て、感じることができる展示です。

3月14日にはこのフォーマット作りに関わった4人のトークを行いました(トークも記録集に収録)。

尚、展示の会期は3月28日までの予定でしたが、5月9日(金)まで延長することとなりました。是非、見にいらして下さい。